新古今和歌集 巻第一 春歌上 67番
雨ふれば
雨が降るので、田を耕す男たちは暇があるのだろうか。苗代の水は空にまかせきりにして。

現代語訳
〔詞書〕藤原清輔朝臣の家で、「雨中の苗代」という題で詠んだ歌。
雨が降るので、田を耕す男たちは暇があるのだろうか。苗代の水は空にまかせきりにして。
意訳
雨が降ると、田んぼの男たちは苗代に水を引く手間がいらない。空が水を注いでくれるので、のんびりしているのだろう。雨の日の農村の情景を、ほほえましく描く。
語釈・文法注
- 小田
- 田。「を」は接頭語。
- ますらを
- 男。ここでは農夫。
- いとまあれや
- 「や」は疑問の係助詞。暇があるのだろうか。
- 苗代水
- 苗代に引き入れる水。
和歌
- 作者
- 勝命法師(しょうみょうほうし) 1112?–?
俗名は藤原親重。美濃守などを務めたのち出家した。歌林苑の歌人と交わり、藤原清輔に近かった。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第一・春歌上・67番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「淸輔朝臣の許にて、雨中苗代といふことをよめる」(藤原清輔朝臣の家で、「雨中の苗代」という題で詠んだ歌)。
解説
作者の勝命は清輔の歌壇に加わっていた歌人。農村の生活を題材にした、素朴な味わいのある歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、13頁(コマ16)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日