古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第一 春歌上 51番

とめこかし

西行法師(さいぎょうほうし)

訪ねて来てほしいものだ。梅の花が盛りであるわが家を。疎遠な人であっても、それは時と場合によるものだ。

梅の花が盛りを迎えた庵で、歌人が訪れる人を待っている場面
梅の花が盛りを迎えた庵で、歌人が訪れる人を待っている場面
作者
西行法師
  1. 1題だい題だいだいしらずしらずしらず詞書
  2. 2とめこかしとめこかしとめこかし初句
  3. 3梅うめ梅うめうめさかりなるさかりなるさかりなる二句
  4. 4我わ我わわががが宿やど宿やどやどををを三句
  5. 5うときもうときもうときも人ひと人ひとひとははは四句
  6. 6折をり折をりおりにこそよれにこそよれにこそよれ結句

引用の仕方

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現代語訳

訪ねて来てほしいものだ。梅の花が盛りであるわが家を。疎遠な人であっても、それは時と場合によるものだ。

意訳

梅が盛りの今こそ、わが家を訪ねてきてほしい。日ごろは疎遠な人でも、こういう時には訪ねてくるものだろう。花の盛りに人の訪れを待つ、山里の住人の心を詠む。

語釈・文法注

とめこかし
「とめ来」は尋ねて来る、「かし」は念を押す終助詞。訪ねて来てほしい。
うときも
疎遠な人も。
折にこそよれ
時と場合による。「こそ」の結びで「よれ」は已然形。

和歌

作者
西行法師(さいぎょうほうし) 1118–1190
俗名は佐藤義清(のりきよ)。鳥羽院の北面の武士だったが、二十三歳で出家し、諸国を旅して歌を詠んだ。自然と人生の哀感を率直に詠み、『新古今和歌集』に最も多い九十四首が入る。家集に『山家集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第一・春歌上・51番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

係り結び
「折にこそよれ」。

解説

西行の歌。山家に住む人の、花の盛りに人恋しくなる気持ちが率直に表れている。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、9〜10頁(コマ14)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日