古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第一 春歌上 41番

折られけり

藤原頼通(ふじわらのよりみち)

折ることができたことだ。紅に色美しく咲く梅の花は。今朝は真っ白に雪が降り積もっていたけれど。

白雪をかぶった梅の枝から、鮮やかな紅梅を手折っている場面
白雪をかぶった梅の枝から、鮮やかな紅梅を手折っている場面
作者
宇治前關白太政大臣(藤原頼通)
  1. 1題だい題だいだいしらずしらずしらず詞書
  2. 2折を折をおられけりられけりられけり初句
  3. 3紅くれなゐ紅くれなゐくれないにほふにほふにおう二句
  4. 4梅うめ梅うめうめのののはなはなはな三句
  5. 5今朝けさ今朝けさけさしろたへにしろたへにしろたえに四句
  6. 6雪ゆき雪ゆきゆきははは降ふ降ふふれゝどれゝどれれど結句

引用の仕方

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現代語訳

折ることができたことだ。紅に色美しく咲く梅の花は。今朝は真っ白に雪が降り積もっていたけれど。

意訳

今朝は雪が降り積もって、梅の枝も真っ白だった。それでも、紅の梅の色ははっきりと見分けがついて、折り取ることができた。白い雪と紅梅の色の対比が鮮やかな一首。

語釈・文法注

折られけり
「れ」は可能の助動詞「る」の連用形。折ることができた。
にほふ
色が美しく映える。
降れゝど
「降れれど」。「れ」は存続の助動詞「り」の已然形。降り積もっているけれど。

和歌

作者
藤原頼通(ふじわらのよりみち) 992–1074
藤原道長の子。後一条・後朱雀・後冷泉の三代にわたって約五十年間摂政・関白を務め、宇治の平等院を建立した。宇治殿・宇治前関白と呼ばれる。
出典
『新古今和歌集』巻第一・春歌上・41番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

倒置法
初句「折られけり」で言い切り、その理由を後に示す。

解説

作者は藤原道長の子で、宇治の平等院を建てた藤原頼通。底本は結句を「雪は降れゝど」とする。

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出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、8頁(コマ14)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日