古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第一 春歌上 30番

梅が枝に

読人しらず(よみびとしらず)

梅の枝で鳴きながら枝から枝へ移っていく鶯の羽を、真っ白にして淡雪が降っている。

梅の枝を移る鶯の羽に、淡雪が白く降りかかっている場面
梅の枝を移る鶯の羽に、淡雪が白く降りかかっている場面
詞書
「春の歌とて」(前の歌と同じ詞書)
作者
讀人しらず(読人しらず)
  1. 1梅うめ梅うめうめががが枝え枝ええににに初句
  2. 2鳴な鳴ななきてきてきてうつろふうつろふうつろう二句
  3. 3鶯うぐひす鶯うぐひすうぐいすののの三句
  4. 4はねはねはね白妙しろたへ白妙しろたへしろたえににに四句
  5. 5あはあはあわ雪ゆき雪ゆきゆきぞふるぞふるぞふる結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

梅の枝で鳴きながら枝から枝へ移っていく鶯の羽を、真っ白にして淡雪が降っている。

意訳

梅の枝を鳴きながら飛び移る鶯の羽に、淡雪が降りかかって白く染めている。鶯の動きと、白い雪の色の取り合わせに、早春の可憐な情景を描く。

語釈・文法注

うつろふ
移っていく。
白妙に
真っ白に。「白妙」は白い布で、白いものの形容。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『新古今和歌集』では、『万葉集』の歌や古い歌集から採った歌、伝承の歌などが多い。
出典
『新古今和歌集』巻第一・春歌上・30番
歌体
短歌
状況
詞書「春の歌とて」(春の歌として詠んだ歌)。

解説

『万葉集』巻十の作者未詳歌の異伝。早春の鶯と雪を取り合わせた歌が、ここから続けて並べられている。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、6頁(コマ13)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日