古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第一 春歌上 27番

降りつみし

西行法師(さいぎょうほうし)

降り積もっていた高い峰の雪が解けたのだなあ。清滝川の水の白波を見ると。

雪の残る高嶺の下で、清滝川の雪どけ水が白波を立てて流れている場面
雪の残る高嶺の下で、清滝川の雪どけ水が白波を立てて流れている場面
作者
西行法師
  1. 1春はる春はるはるののの歌うた歌うたうたとてとてとて詞書
  2. 2降ふ降ふふりつみしりつみしりつみし初句
  3. 3高嶺たかね高嶺たかねたかねのみのみのみ雪ゆき雪ゆきゆき二句
  4. 4とけにけりとけにけりとけにけり三句
  5. 5淸きよ淸きよきよ瀧たき瀧たきたき川がは川がはがわののの四句
  6. 6水みづ水みづみずのしらのしらのしら浪なみ浪なみなみ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕春の歌として詠んだ歌。

降り積もっていた高い峰の雪が解けたのだなあ。清滝川の水の白波を見ると。

意訳

清滝川の水かさが増し、白波が立っている。それを見て、山の高い峰に降り積もっていた雪が解けたのだと気づく。川の水の様子から、見えない山奥の春の訪れを推しはかる。

語釈・文法注

降りつみし
降り積もった。「し」は過去の助動詞「き」の連体形。
とけにけり
「にけり」は完了と詠嘆。
淸瀧川
京都の北西、愛宕山のふもとを流れる川。

和歌

作者
西行法師(さいぎょうほうし) 1118–1190
俗名は佐藤義清(のりきよ)。鳥羽院の北面の武士だったが、二十三歳で出家し、諸国を旅して歌を詠んだ。自然と人生の哀感を率直に詠み、『新古今和歌集』に最も多い九十四首が入る。家集に『山家集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第一・春歌上・27番
歌体
短歌
状況
詞書「春の歌とて」(春の歌として詠んだ歌)。

修辞

三句切れ・倒置法
「とけにけり」で切れ、その根拠を下の句で示す。
体言止め
体言止め。

解説

西行の歌。清滝川は嵯峨の奥を流れる川で、西行が庵を結んだ地にも近い。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、5頁(コマ12)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日