新古今和歌集 巻第一 春歌上 24番
山深み
山が深いので、やはり光が寒々としている、春の月は。空が一面に曇って、雪が降り続いている。

現代語訳
〔詞書〕和歌所で、「春の山の月」という題で詠んだ歌。
山が深いので、やはり光が寒々としている、春の月は。空が一面に曇って、雪が降り続いている。
意訳
山深い所では、春になっても月の光は寒々しい。空は曇り、雪が降り続けている。山の春の遅さを、寒々とした月の光で表す。
語釈・文法注
- 山深み
- 山が深いので。
- かげ
- 月の光。
- かき曇り
- 空が一面に曇って。「かき」は接頭語。
和歌
- 作者
- 越前(えちぜん) 生没年未詳(十二世紀末〜十三世紀前半)
大中臣公親の娘。式子内親王に仕え、のち後鳥羽院に仕えた女房。千五百番歌合などに出詠した。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第一・春歌上・24番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「和歌所にて、春山月といふ心をよめる」(和歌所で、「春の山の月」という題で詠んだ歌)。
修辞
- 三句切れ
- 「春の月」で切れる。
解説
題詠の歌。前の良経の歌と同じく、春の月を寒々とした冬めいた景色の中に置いている。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、5頁(コマ12)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日