新古今和歌集 巻第一 春歌上 9番
時はいま
時はもう春になったというので、雪の降る遠い山のあたりに、霞がたなびいている。

現代語訳
時はもう春になったというので、雪の降る遠い山のあたりに、霞がたなびいている。
意訳
遠くの山にはまだ雪が降っているが、その山辺にも霞がかかりはじめた。季節がすでに春に移ったことを、遠景の霞が知らせている。
語釈・文法注
- なりぬと
- 「ぬ」は完了の助動詞。「と」は「〜というので」。
- み雪
- 「み」は美称の接頭語。雪。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『新古今和歌集』では、『万葉集』の歌や古い歌集から採った歌、伝承の歌などが多い。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第一・春歌上・9番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
解説
『万葉集』巻八の中臣武良自の歌「時は今は春になりぬとみ雪降る遠山の辺に霞たなびく」の異伝。前の歌に続けて、万葉の早春の歌を並べている。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、2頁(コマ11)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日