古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第一 春歌上 8番

風まぜに

読人しらず(よみびとしらず)

風にまじって雪は降り続けている。それでもやはり霞がたなびいて、春はやって来たのだった。

風まじりの雪の向こうに霞がたなびき、冬と春が交わっている場面
風まじりの雪の向こうに霞がたなびき、冬と春が交わっている場面
詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
讀人しらず(読人しらず)
  1. 1風かぜ風かぜかぜまぜにまぜにまぜに初句
  2. 2雪ゆき雪ゆきゆきははは降ふ降ふふりつゝりつゝりつつ二句
  3. 3しかすがにしかすがにしかすがに三句
  4. 4霞かすみ霞かすみかすみたなびきたなびきたなびき四句
  5. 5春はる春はるはるははは來き來ききにけりにけりにけり結句

引用の仕方

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現代語訳

風にまじって雪は降り続けている。それでもやはり霞がたなびいて、春はやって来たのだった。

意訳

まだ風まじりの雪が降る寒さだが、一方では霞もたなびき、確かに春が来ている。冬と春が入りまじる早春の空を、素朴なことばでそのまま写し取る。

語釈・文法注

風まぜに
風にまじって。
しかすがに
そうはいうものの。それでもやはり。万葉以来の古いことば。
來にけり
「けり」は気づきの詠嘆。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『新古今和歌集』では、『万葉集』の歌や古い歌集から採った歌、伝承の歌などが多い。
出典
『新古今和歌集』巻第一・春歌上・8番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

『万葉集』巻十の「風交じり雪は降りつつしかすがに霞たなびき春さりにけり」の異伝とされる歌。万葉の古歌を、平安時代以降に伝わった形で採っている。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、2頁(コマ11)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日