古典ライブラリー

万葉集 巻第十九 4184番

山吹の 花とり持ちて

作者未詳

天平勝宝2年4月5日、都に留まっていた女性から越中の家持の妻坂上大嬢に贈られてきた歌。山吹の花を手に取って、つれなく離れて行ってしまった妻を偲んでいたという歌。

都の庭で山吹の花を手にして、遠くの人を偲ぶ女

題詞京師より贈り來る歌一首

  1. 1山吹やまぶき山吹やまぶきやまぶきののの山吹乃
  2. 2花はな花はなはなとりとりとり持も持ももちちちててて花執持而
  3. 3つれつれつれもももなくなくなく都禮毛奈久
  4. 4離か離かかれれれにににししし妹いも妹いもいもををを可禮爾之妹乎
  5. 5偲しぬ偲しぬしぬびびびつるつるつるかもかもかも之努比都流可毛

引用の仕方

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現代語訳

山吹の花を手に取り持って、つれなくも離れて行ってしまったあなたを、偲んでいたことです。

意訳

越中へ下った坂上大嬢を、都に残った身内の女性が、山吹の花を手にして偲んだ歌である。

語釈・文法注

文法・本文

つれもなく
つれなく、そっけなく。
離れにし
「かれにし」。離れて行ってしまった。

和歌

作者
作者未詳
出典
『万葉集』巻第十九・部立なし・4184番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
天平勝宝2年4月5日、都に留まった女性から越中に贈られてきた歌。

修辞

寄物
山吹の花に寄せて人を偲ぶ。

解説

この歌に答えて家持が山吹の歌(4185・4186番)を詠んだと見られる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、684頁(コマ135)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、808頁(コマ168)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日