古典ライブラリー

万葉集 巻第十七 3914番

ほととぎす 今し來鳴かば

田口馬長(たぐちのうまおさ)

宴でほととぎすが鳴かなかったので田口馬長が詠んだ歌。ほととぎすが今来て鳴いたならば、万代までも語り伝えられるだろうと思われるという歌。

宴の庭で、人々がほととぎすの声を待っている

題詞霍公鳥を思ふ歌一首

  1. 1ほととぎすほととぎすほととぎす保登等藝須
  2. 2今いま今いまいまししし來き來きき鳴な鳴ななかかかばばば今之來鳴者
  3. 3萬よろづ萬よろづよろず代よ代よよににに餘呂豆代爾
  4. 4語かた語かたかたりりりつぐつぐつぐべくべくべく可多理都具倍久
  5. 5念おも念おもおもほほおゆるゆるゆるかもかもかも所念可母

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

ほととぎすが今来て鳴いたならば、万代までも語り継ぐべきことと思われることだ。

意訳

友人たちが集まった宴でほととぎすが鳴かなかった時、今鳴いてくれれば永く語り草になるだろうに、とほととぎすを待ちわびる心を詠んだ歌である。

語釈・文法注

文法・本文

今し
今こそ。
語りつぐべく
語り継ぐべきこととして。

和歌

作者
田口馬長(生没年未詳(八世紀前半))
伝未詳。巻十七に、ほととぎすを思う歌を残す。
出典
『万葉集』巻第十七・部立なし・3914番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
田口馬長が宴でほととぎすを思って詠んだ歌。

修辞

願望
ほととぎすの声を待ちわびる。

解説

宴の場所や年月は不明と左注にある。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、610頁(コマ98)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、716頁(コマ122)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日