万葉集 巻第十六 3808番
住吉の 小集樂に出でて
里の男女が集まって野遊びをした時、容姿の美しい妻をもつ田舎の男が、妻をいっそう愛しく思って詠んだ歌。住吉の歌垣に出て、夢でなく現実にも、自分の妻を鏡のように見たという歌。
場面イラスト(準備中)
題詞(由縁ある雑歌)
現代語訳
住吉の歌垣に出て、現実にも、自分の妻を、鏡のように見たことだ。
意訳
里の男女が集まる住吉の歌垣で、ほかの女たちより美しい自分の妻を、鏡を見るようにうっとりと見たと、田舎の男が妻をたたえた歌である。
語釈・文法注
文法・本文
- 小集樂
- 「をづめ」。男女が集まって歌い踊る集会、歌垣。
- 寤
- 「うつつ」。現実。
- 己妻すら
- 自分の妻さえ。
- 鏡と見つ
- 鏡を見るようにほれぼれと見た。
和歌
- 作者
- 作者未詳
- 出典
- 『万葉集』巻第十六・雑歌・3808番
- 歌体
- 短歌(五七五七七)
- 時期
- 作者未詳(時代を問わない)
- 状況
- 住吉の歌垣で、田舎の男が美しい妻をたたえて詠んだ歌。
修辞
- 譬喩
- 妻を鏡にたとえる。
解説
住吉の小集楽は、摂津の住吉で行われた歌垣と考えられる。
関連
出典
- 底本
- 佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、586頁(コマ86)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 原文
- 佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、688頁(コマ108)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日