万葉集 巻第十二 3113〜3114番
在り在りて 後も逢はむと
このまま生きていて後で逢おうと言葉だけ固く約束して、逢うことはないのに、となじる。心を尽くして私も逢おうと思うが、人の噂がうるさいあなたなのだ、と答える。問答の歌。
場面イラスト(準備中)
題詞(問答)
現代語訳
〔3113〕こうして生きながらえて、後で逢おうと言葉だけを固く約束して、逢うことはないのに。
〔3114〕この上なく私も逢おうと思うけれど、人の噂ばかりが多いあなたなのだ。
意訳
問答の歌である。後で逢おうと口約束ばかりで逢ってくれないとなじる歌に、自分も心から逢いたいが、あなたには人の噂が多いので逢えないのだと答える。
語釈・文法注
文法・本文
- 在り在りて
- このまま生きながらえて。
- 堅く契り
- 固く約束して。白文は「堅要」と書く。
- 極めて
- 「きはめて」。この上なく。
和歌
- 作者
- 作者未詳
- 出典
- 『万葉集』巻第十二・相聞・3113〜3114番
- 歌体
- 短歌(五七五七七)
- 時期
- 作者未詳(時代を問わない)
- 状況
- 問答。作者未詳。
修辞
- 問答
- 「逢ふ」を受けて答える。
解説
3114番は、噂の多い相手のせいにして逢えない言い訳をする、問答らしいやりとりである。
関連
出典
- 底本
- 佐佐木信綱編『新訓万葉集』下巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、485頁(コマ35)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 原文
- 佐佐木信綱編『白文万葉集』下巻 岩波書店、昭和5年(1930)、560頁(コマ44)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日