万葉集 巻第十 2308番
雨零れば 激つ山川
雨が降ると激しく流れる山川が石に当たって砕けるように、あなたの心を砕くような気持ちを私は持つまい。秋の譬喩歌。
場面イラスト(準備中)
題詞譬喩歌
現代語訳
雨が降ると激しく流れる山川が岩に当たって砕けるように、あなたの心を砕くような心は、私は持つまい。
意訳
激流が岩にぶつかって砕けるさまにたとえて、相手の心を傷つけるようなことはすまいと誓う歌である。
語釈・文法注
文法・本文
- 激つ
- 「たぎつ」。激しく流れる。
- 摧かむ
- 砕くような。
和歌
- 作者
- 作者未詳
- 出典
- 『万葉集』巻第十・譬喩歌・2308番
- 歌体
- 短歌(五七五七七)
- 時期
- 作者未詳(時代を問わない)
- 状況
- 秋の相聞の譬喩歌。
修辞
- 譬喩
- 岩に当たって砕ける水を、心を砕くことにたとえる。
解説
水が岩に砕けるさまは、物思いに心を砕くことのたとえとしても用いられる。
関連
出典
- 底本
- 佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、417頁(コマ212)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 原文
- 佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、477頁(コマ244)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日