古典ライブラリー

万葉集 巻第十 2308番

雨零れば 激つ山川

作者未詳

雨が降ると激しく流れる山川が石に当たって砕けるように、あなたの心を砕くような気持ちを私は持つまい。秋の譬喩歌。

雨で水かさの増した山川が、岩にぶつかって白く砕けている

題詞譬喩歌

  1. 1雨あめ雨あめあめ零ふ零ふふれれればばば雨零者
  2. 2激たぎ激たぎたぎつつつ山やま山やまやま川がは川がはがわ瀧都山川
  3. 3石いは石いはいわににに觸ふ觸ふふりりり於石觸
  4. 4君きみ君きみきみががが摧くだ摧くだくだかかかむむん君之摧
  5. 5情こころ情こころこころははは持も持ももたたたじじじ情者不持

引用の仕方

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現代語訳

雨が降ると激しく流れる山川が岩に当たって砕けるように、あなたの心を砕くような心は、私は持つまい。

意訳

激流が岩にぶつかって砕けるさまにたとえて、相手の心を傷つけるようなことはすまいと誓う歌である。

語釈・文法注

文法・本文

激つ
「たぎつ」。激しく流れる。
摧かむ
砕くような。

和歌

作者
作者未詳
出典
『万葉集』巻第十・譬喩歌・2308番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
作者未詳(時代を問わない)
状況
秋の相聞の譬喩歌。

修辞

譬喩
岩に当たって砕ける水を、心を砕くことにたとえる。

解説

水が岩に砕けるさまは、物思いに心を砕くことのたとえとしても用いられる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、417頁(コマ212)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、477頁(コマ244)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日