古典ライブラリー

万葉集 巻第十 2177番

春は萌え 夏は綠に

作者未詳

春は芽吹き、夏は緑に、そして紅の色とりどりに見える秋の山であることよ。山を詠んだ歌。

秋の山が紅や黄に色づき、色とりどりに見えている

題詞山を詠める

  1. 1春はる春はるはるははは萌も萌ももえええ春者毛要
  2. 2夏なつ夏なつなつははは綠みどり綠みどりみどりににに夏者綠丹
  3. 3くれなゐくれなゐくれないののの紅之
  4. 4綵色いろいろ綵色いろいろいろいろににに見み見みみゆるゆるゆる綵色爾所見
  5. 5秋あき秋あきあきののの山やま山やまやまかもかもかも秋山可聞

引用の仕方

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現代語訳

春は芽吹き、夏は緑になり、紅の色とりどりに見える秋の山であることよ。

意訳

春の芽吹き、夏の緑と移り変わってきた山が、秋には紅をはじめ色とりどりに染まって見える。季節ごとに変わる山の姿を一首にまとめ、秋の山の美しさをたたえる歌である。

語釈・文法注

文法・本文

萌え
芽吹く。
綵色
「いろいろ」。さまざまな色。

和歌

作者
作者未詳
出典
『万葉集』巻第十・雑歌・2177番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
作者未詳(時代を問わない)
状況
秋の雑歌。山を詠んだ歌。

修辞

対句
「春は萌え夏は綠に」と季節を重ねる。

解説

四季の移り変わりを一首に織りこんだ構成が新鮮な歌である。次からは黄葉を詠んだ歌が四十首余り続く。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、406頁(コマ207)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、464頁(コマ238)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日