古典ライブラリー

万葉集 巻第十 2091番

彥星の 川瀨を渡る

作者未詳

彦星が川瀬を渡る小舟が、進み進んで泊まるであろう河津が思われる。七夕の歌。

天の川の川瀬を小舟が進み、対岸の舟着き場に灯がともっている

題詞(七夕)

  1. 1彥星ひこぼし彥星ひこぼしひこぼしののの彥星之
  2. 2川かは川かはかわ瀨せ瀨せせををを渡わた渡わたわたるるる川瀨渡
  3. 3さささ小を小をお舟ぶね舟ぶねぶねののの左小舟乃
  4. 4行ゆ行ゆゆききき行ゆ行ゆゆきききててて泊は泊ははてててむむん行行而將泊
  5. 5河かは河かはかわ津つ津つつししし念おも念おもおもほゆほゆおゆ河津石所念

引用の仕方

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現代語訳

彦星が川瀬を渡っている小舟が、進み進んで泊まるであろう河の舟着き場のことが思われる。

意訳

天の川の瀬を渡って行く彦星の小舟が、やがてたどり着く舟着き場、すなわち織女の待つ所を思いやる歌である。

語釈・文法注

文法・本文

さ小舟
小さな舟。「さ」は接頭語。
河津
川の舟着き場。

和歌

作者
作者未詳
出典
『万葉集』巻第十・雑歌・2091番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
作者未詳(時代を問わない)
状況
七夕の歌。

修辞

反復
「行き行きて」と重ねて、舟の進むさまを表す。

解説

彦星の舟が着く先を思う歌で、逢瀬そのものは描かずに余情を残している。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、400頁(コマ204)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、455頁(コマ233)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日