古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1659番

眞木の上に 零り置ける雪の

他田広津娘子(おさだのひろつのおとめ)

真木の上に降り積もった雪のように、しきりに思われることだ。夜に訪ねてきてください、あなた。他田広津娘子の歌。

真木に雪が厚く積もる夜、女性が戸口で恋人を待っている

題詞他田廣津娘子の歌一首

  1. 1眞ま眞まま木き木ききののの上うへ上うへうえににに眞木乃於爾
  2. 2零ふ零ふふりりり置お置おおけけけるるる雪ゆき雪ゆきゆきののの零置有雪乃
  3. 3しくしくしくしくしくしくももも敷布毛
  4. 4念おも念おもおもほほおゆるゆるゆるかもかもかも所念可聞
  5. 5さささ夜よ夜よよ訪と訪ととへへへ吾わ吾わわ背せ背せせ佐夜問吾背

引用の仕方

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現代語訳

真木の上に降り積もった雪のように、しきりに思われることです。夜に訪ねてきてください、あなた。

意訳

雪が幾重にも降り積もるように、恋しい思いがしきりにつのるので、今夜こそ訪ねてきてほしいと恋人に呼びかけている。

語釈・文法注

文法・本文

しくしく
しきりに。

和歌

作者
他田広津娘子(生没年未詳)
奈良時代の女性歌人。
出典
『万葉集』巻第八・相聞・1659番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
作者未詳(時代を問わない)
状況
他田広津娘子の歌。

修辞

序詞
「眞木の上に零り置ける雪の」が「しくしく」を導く。

解説

雪の重なりを恋心の重なりにたとえている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、337頁(コマ172)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、381頁(コマ196)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日