古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1658番

吾背子と 二人見ませば

光明皇后(こうみょうこうごう)

あなたと二人で見ることができたなら、どれほどこの降る雪がうれしいことでしょう。光明皇后が聖武天皇に奉った歌。

雪の降る宮殿で、皇后がひとり雪を見つめている

題詞藤皇后、天皇に奉れる御歌一首

  1. 1吾わが吾わがわが背せ背せせ子こ子ここととと吾背兒與
  2. 2二ふた二ふたふた人り人りり見み見みみませませませばばば二有見麻世波
  3. 3幾いく幾いくいく許ばく許ばくばくかかか幾許香
  4. 4このこのこの零ふ零ふふるるる雪ゆき雪ゆきゆきののの此零雪之
  5. 5懽うれ懽うれうれしからしからしからましましまし懽有麻思

引用の仕方

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現代語訳

あなたと二人で見ることができたなら、どれほどこの降る雪がうれしいことでしょう。

意訳

雪の美しさを、離れている天皇といっしょに見られたらどんなにうれしいだろうと、夫を慕う心を歌っている。

語釈・文法注

文法・本文

見ませば…まし
反実仮想。見たならば…だろうに。

和歌

作者
光明皇后(701–760)
藤原不比等の娘。聖武天皇の皇后で、施薬院・悲田院を設けた。
出典
『万葉集』巻第八・相聞・1658番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
光明皇后が聖武天皇に奉った歌。

修辞

反実仮想
「ませば…まし」。

解説

皇后が天皇に寄せた、素直な愛情の歌として知られる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、337頁(コマ172)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、380頁(コマ196)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日