古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1643番

天霧し 雪も零らぬか

若桜部君足(わかさくらべのきみたり)

空を曇らせて雪が降らないものか。はっきりと、この茂った芝に降るのを見よう。若桜部君足の雪の歌。

茂った芝の庭に、雪が白く降り積もりはじめている

題詞若櫻部朝臣君足の雪の歌一首

  1. 1天あま天あまあま霧ぎら霧ぎらぎらししし天霧之
  2. 2雪ゆき雪ゆきゆきももも零ふ零ふふらららぬぬぬかかか雪毛零奴可
  3. 3灼然いちしろ灼然いちしろいちしろくくく灼然
  4. 4このこのこのいついついつ芝しば芝しばしばににに此五柴爾
  5. 5零ふ零ふふらららまくまくまくををを見み見みみむむむ零卷乎將見

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

空を曇らせて、雪でも降らないものか。はっきりと、この茂った芝に降るのを見よう。

意訳

茂った芝の上に雪が白く降り積もる景色を見たいと、雪の訪れを願っている。

語釈・文法注

文法・本文

灼然く
「いちしろく」。はっきりと。
いつ芝
茂った芝。

和歌

作者
若桜部君足(生没年未詳)
奈良時代の官人。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1643番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
若桜部君足の雪の歌。

解説

雪を待ち望む心を素直に詠んでいる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、334頁(コマ171)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、377頁(コマ194)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日