古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1642番

たな霧ひ 雪も零らぬか

安倍奥道(あべのおきみち)

空一面に曇って雪が降らないものか。梅の花が咲かない代わりに、雪を花になぞらえてでも見よう。安倍奥道の雪の歌。

冬枯れの梅の木の上に、雪雲が垂れこめている

題詞安倍朝臣奧道の雪の歌一首

  1. 1たなたなたな霧ぎら霧ぎらぎらひひい棚霧合
  2. 2雪ゆき雪ゆきゆきももも零ふ零ふふらららぬぬぬかかか雪毛零奴可
  3. 3梅うめ梅うめうめののの花はな花はなはな梅花
  4. 4咲さ咲ささかかかぬぬぬががが代しろ代しろしろににに不開之代爾
  5. 5擬そ擬そそへへえてててだにだにだに見み見みみむむむ曾倍而谷將見

引用の仕方

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現代語訳

空一面に曇って、雪でも降らないものか。梅の花が咲かない代わりに、なぞらえてでも見よう。

意訳

梅がまだ咲かないので、せめて雪が降ってくれたら、それを梅の花になぞらえて見ようと、梅を待ちわびる心を歌っている。

語釈・文法注

文法・本文

たな霧ひ
空一面に曇って。
代に
代わりに。

和歌

作者
安倍奥道(?–774)
奈良時代の官人。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1642番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
安倍奥道の雪の歌。

修辞

見立て
雪を梅の花になぞらえる。

解説

雪と梅を重ねる見立ての歌が続いている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、334頁(コマ171)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、377頁(コマ194)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日