古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1636番

大口の 眞神の原に

舎人娘子(とねりのおとめ)

真神の原に降る雪よ、ひどく降らないでおくれ。ここには家もないのに。舎人娘子の雪の歌。

飛鳥の真神の原に雪が降りしきり、旅の女性が身をすくめている

題詞舍人娘子の雪の歌一首

  1. 1大おほ大おほおお口くち口くちくちののの大口能
  2. 2眞ま眞まま神かみ神かみかみののの原はら原はらはらににに眞神之原爾
  3. 3零ふ零ふふるるる雪ゆき雪ゆきゆきははは零雪者
  4. 4甚いた甚いたいたくくくななな零ふ零ふふりりりそそそ甚莫零
  5. 5家いへ家いへいえもももあらあらあらなくなくなくににに家母不有國

引用の仕方

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現代語訳

(大口の)真神の原に降る雪よ、ひどく降らないでおくれ。家もないのに。

意訳

人家のない真神の原で雪に降られ、どうか激しく降らないでほしいと願っている。冬雑歌の部はこの歌から始まる。

語釈・文法注

文法・本文

大口の
狼の口の大きいことから「真神」にかかる枕詞。

和歌

作者
舎人娘子(生没年未詳)
7世紀末から8世紀初めの女性歌人。舎人皇子に仕えたとみられる。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1636番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第2期(672〜710年(壬申の乱〜平城京遷都))
状況
舎人娘子の雪の歌。

修辞

枕詞
「大口の」が「眞神」にかかる。

解説

真神は狼の古名で、真神の原は飛鳥寺の南の原野。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、333頁(コマ170)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、376頁(コマ194)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日