古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1573番

秋の雨に ぬれつつ居れば

大伴利上(おおとものとしかみ)

秋の雨に濡れながらいると、みすぼらしいけれど、いとしい人の家が思われる。大伴利上の歌。

秋雨に濡れて立つ男が、遠くの恋人の小さな家を思っている

題詞大伴利上の歌一首

  1. 1秋あき秋あきあきののの雨あめ雨あめあめににに秋之雨爾
  2. 2ぬれぬれぬれつつつつつつ居を居をおれれればばば所沾乍居者
  3. 3賤いや賤いやいやしけしけしけどどど雖賤
  4. 4吾わぎ吾わぎわぎ妹も妹ももががが屋や屋やや戸ど戸どどししし吾妹之屋戸志
  5. 5念おも念おもおもほほおゆるゆるゆるかもかもかも所念香聞

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

秋の雨に濡れながらいると、みすぼらしいけれども、いとしい人の家が思われることだ。

意訳

秋の雨に濡れて寒々としていると、粗末な家ではあっても、恋人の家の温かさが恋しく思われる。

語釈・文法注

文法・本文

賤しけど
みすぼらしいけれど。

和歌

作者
大伴利上(生没年未詳)
大伴氏の一族とされる。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1573番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
作者未詳(時代を問わない)
状況
大伴利上の歌。

解説

雨に濡れる身の寂しさと、恋人の家を慕う心を重ねている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、324頁(コマ166)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、365頁(コマ188)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日