古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1551番

時待ちて 落つる時雨の

市原王(いちはらのおおきみ)

季節を待って降る時雨が、降りに降った。明日の朝にはきっと山が色づくだろう。市原王の歌。

時雨の降る秋の山が、うっすらと色づきはじめている

題詞市原王の歌一首

  1. 1時とき時ときとき待ま待ままちちちててて待時而
  2. 2落お落おおつるつるつる時しぐ時しぐしぐ雨れ雨れれののの落鐘禮能
  3. 3零ふ零ふふりりり零ふ零ふふりりりぬぬぬ零零奴
  4. 4明あ明ああけけけむむん朝あした朝あしたあしたかかか開朝香
  5. 5山やま山やまやまのののもみぢもみぢもみじむむん山之將黃變

引用の仕方

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現代語訳

季節を待って降る時雨が、降りに降った。明けた朝には、山が色づくことだろうか。

意訳

秋の時雨は木の葉を色づかせると考えられていた。その時雨が降り続いたので、明日の朝には山がすっかり色づくだろうと期待している。

語釈・文法注

文法・本文

もみぢむ
色づくだろう。

和歌

作者
市原王(生没年未詳)
天智天皇の曾孫で、安貴王の子。大伴家持と親しかった。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1551番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
市原王の歌。

解説

時雨が紅葉を促すという考えは、平安時代の和歌に受け継がれた。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、321頁(コマ164)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、361頁(コマ186)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日