古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1543番

秋の露は 移にありけり

三原王(みはらのおおきみ)

秋の露は染料だったのだなあ。青々とした山が色づくのを見ると。三原王の歌。

露に濡れた秋の山が、青から赤や黄へと色づいている

題詞三原王の歌一首

  1. 1秋あき秋あきあきののの露つゆ露つゆつゆははは秋露者
  2. 2移うつし移うつしうつしにににありありありけりけりけり移爾有家里
  3. 3水みづ水みづみず鳥とり鳥とりとりののの水鳥乃
  4. 4青あを青あをあお葉ば葉ばばののの山やま山やまやまののの青羽乃山能
  5. 5色いろ色いろいろづくづくずく見み見みみれれればばば色付見者

引用の仕方

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現代語訳

秋の露は染料だったのだなあ。(水鳥の)青々とした山が色づいていくのを見ると。

意訳

秋の露が降りると山の木々が色づいていくのを見て、露が山を染める染料だったのだと気づいた驚きを歌っている。

語釈・文法注

文法・本文

移
「うつし」。染料。
水鳥の
鴨の羽の青さから「青」にかかる枕詞。

和歌

作者
三原王(?–752)
舎人親王の子。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1543番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
三原王の歌。

修辞

見立て
露を染料に見立てる。
枕詞
「水鳥の」が「青」にかかる。

解説

露が木の葉を染めるという発想は、平安時代の和歌にも受け継がれた。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、320頁(コマ164)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、360頁(コマ186)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日