古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1534番

女郎花 秋萩を折れ

石川老夫(いしかわのおきな)

女郎花や秋萩を折れ。旅の道中のみやげにと、ねだる子のために。石川老夫の歌。

秋の野で男が女郎花と萩を手折り、家で待つ子どもへのみやげにしている

題詞石川朝臣老夫の歌一首

  1. 1女郎花をみなへし女郎花をみなへしおみなえし娘部志
  2. 2秋あき秋あきあき萩はぎ萩はぎはぎををを折を折をおれれれ秋芽子折禮
  3. 3玉たま玉たまたま桙ほこ桙ほこほこののの玉梓乃
  4. 4道みち道みちみち行ゆき行ゆきゆき裹づと裹づとづとととと道去裹跡
  5. 5乞こ乞ここははわむむん兒こ兒ここののの爲ため爲ためため爲乞兒

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

女郎花や秋萩を折れ。(玉桙の)旅のみやげにと、ねだるであろう子のために。

意訳

旅のみやげをねだる家の子(妻とも)のために、野の女郎花や秋萩を手折ろうと歌っている。

語釈・文法注

文法・本文

道行裹
「みちゆきづと」。旅のみやげ。

和歌

作者
石川老夫(生没年未詳)
奈良時代の官人。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1534番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
作者未詳(時代を問わない)
状況
石川老夫の歌。

修辞

枕詞
「玉桙の」が「道」にかかる。

解説

秋の野の花をみやげにする、旅の風情を詠んでいる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、319頁(コマ163)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、359頁(コマ185)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日