古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1504番

暇無み 五月をすらに

高安(たかやす)

暇がないので、五月だというのに、いとしい人の家の花橘を見ないで過ぎてしまうのだろうか。高安の歌。

花橘の咲く恋人の家の前を、忙しげな官人が通り過ぎていく

題詞高安の歌一首

  1. 1暇いとま暇いとまいとま無な無ななみみみ暇無
  2. 2五さ五ささ月つき月つきつきをををすらすらすらににに五月乎尙爾
  3. 3吾わぎ吾わぎわぎ妹も妹もも子こ子ここががが吾妹兒我
  4. 4花はな花はなはな橘たちばな橘たちばなたちばなををを花橘乎
  5. 5見み見みみずずずかかか過す過すすぎぎぎなむなむなん不見可將過

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

暇がないので、五月だというのに、いとしい人の家の花橘を、見ないで過ぎてしまうのだろうか。

意訳

橘の花の盛りの五月だというのに、忙しくて恋人の家を訪ねることもできず、花を見ずに季節が過ぎてしまうのではないかと嘆いている。

語釈・文法注

文法・本文

すらに
…でさえ。

和歌

作者
高安(生没年未詳)
伝はわからない。高安王とする説もある。
出典
『万葉集』巻第八・相聞・1504番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
作者未詳(時代を問わない)
状況
高安の歌。

解説

花橘を見ることに、恋人に逢うことを重ねている。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、315頁(コマ161)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、354頁(コマ183)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日