古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1501番

ほととぎす 鳴く峯の上の

小治田広耳(おはりだのひろみみ)

ほととぎすの鳴く峰の上の卯の花のように、私に何か厭わしいことでもあるのか、あなたがおいでにならないのは。小治田広耳の歌。

峰の上に白い卯の花が咲き、ほととぎすが鳴いている。ふもとの家で女性が待っている

題詞小治田朝臣廣耳の歌一首

  1. 1ほととぎすほととぎすほととぎす霍公鳥
  2. 2鳴な鳴ななくくく峯を峯ををののの上うへ上うへうえののの鳴峯乃上能
  3. 3卯う卯ううののの花はな花はなはなののの宇乃花之
  4. 4厭う厭ううきききことことことあれあれあれややや猒事有哉
  5. 5君きみ君きみきみががが來き來ききまさまさまさぬぬぬ君之不來益

引用の仕方

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現代語訳

ほととぎすの鳴く峰の上の卯の花のように、何か厭わしいことでもあるのか、あなたがおいでにならないのは。

意訳

「卯の花」の「う」から「厭(う)き」を導き、私に何か嫌なところでもあるのか、だから来てくれないのかと、恋人を恨んでいる。

語釈・文法注

文法・本文

厭きこと
いやなこと。

和歌

作者
小治田広耳(生没年未詳)
奈良時代の官人。
出典
『万葉集』巻第八・相聞・1501番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
作者未詳(時代を問わない)
状況
小治田広耳の歌。

修辞

序詞
「ほととぎす鳴く峯の上の卯の花の」が「厭き」を導く。

解説

卯の花と「憂」「厭」をかける表現は、のちの和歌でも多用された。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、314頁(コマ161)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、353頁(コマ182)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日