古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1493番

吾が屋前の 花橘を

大伴村上(おおとものむらかみ)

わが家の庭の花橘を、ほととぎすが来て鳴き騒いで、根もとに散らしてしまった。大伴村上の橘の歌。

橘の木の根もとに白い花びらが散り敷き、枝でほととぎすが鳴いている

題詞大伴村上の橘の歌一首

  1. 1吾わ吾わわががが屋に屋にに前は前ははののの吾屋前乃
  2. 2花はな花はなはな橘たちばな橘たちばなたちばなををを花橘乎
  3. 3ほととぎすほととぎすほととぎす霍公鳥
  4. 4來き來きき鳴な鳴ななききき動とよ動とよとよめめめててて來鳴令動而
  5. 5本もと本もともとににに散ち散ちちらしらしらしつつつ本爾令散都

引用の仕方

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現代語訳

わが家の庭の花橘を、ほととぎすが来て鳴き騒いで、根もとに散らしてしまった。

意訳

ほととぎすが来て鳴くのはうれしいが、そのせいで大切な花橘が散ってしまったと、惜しむ気持ちをこめている。

語釈・文法注

文法・本文

動めて
鳴き騒いで。

和歌

作者
大伴村上(生没年未詳)
奈良時代の官人。大伴氏の一族。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1493番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
大伴村上の橘の歌。

解説

ほととぎすが花を散らすという発想は、家持の1486番にも見られる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、313頁(コマ160)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、352頁(コマ182)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日