古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1439番

時は今は 春になりぬと

中臣武良自(なかとみのむらじ)

季節は今はもう春になったと、雪の降る遠い山のあたりに霞がたなびいている。中臣武良自の歌。

雪の残る遠い山々に、春の霞が薄くたなびいている

題詞中臣朝臣武良自の歌一首

  1. 1時とき時ときときははは今いま今いまいまははは時者今者
  2. 2春はる春はるはるににになりなりなりぬぬぬととと春爾成跡
  3. 3みみみ雪ゆき雪ゆきゆき零ふ零ふふるるる三雪零
  4. 4遠とほ遠とほとお山やま山やまやまののの邊へ邊へへににに遠山邊爾
  5. 5霞かすみ霞かすみかすみ棚たな棚たなたな引び引びびくくく霞多奈婢久

引用の仕方

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現代語訳

季節は今はもう春になったと、雪の降る遠い山のあたりに、霞がたなびいている。

意訳

まだ雪の降る遠い山にも霞がかかり、季節はもう春になったのだと告げているようだと、春の訪れを感じとっている。

語釈・文法注

文法・本文

時は今は
季節は今はもう。

和歌

作者
中臣武良自(生没年未詳)
奈良時代の官人。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1439番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
作者未詳(時代を問わない)
状況
中臣武良自の春の歌。

解説

雪と霞が同時に見える、早春の山の景を詠んでいる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、305頁(コマ156)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、342頁(コマ177)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日