万葉集 巻第八 1436〜1437番
含めりと 言ひし梅が枝
つぼみだと言っていた梅の枝は、今朝降った沫雪にあって、咲いただろうか。春日の里の梅の花よ、山からの風に散るな。大伴村上の梅の歌二首。
場面イラスト(準備中)
題詞大伴宿禰村上の梅の歌二首
現代語訳
〔1436〕つぼみだと言っていた梅の枝は、今朝降った沫雪にあって、咲いたことだろうか。
〔1437〕霞の立つ春日の里の梅の花よ、山から吹きおろす風に、決して散らないでおくれ。
意訳
1436番は、つぼみだった梅が今朝の沫雪に誘われて咲いただろうかと思いやり、1437番は、春日の里の梅に、山風に散るなと呼びかけている。
語釈・文法注
文法・本文
- 含めり
- つぼみのままである。
- 山の下風
- 「あらし」。山から吹きおろす風。
和歌
- 作者
- 大伴村上(生没年未詳)
奈良時代の官人。大伴氏の一族。 - 出典
- 『万葉集』巻第八・雑歌・1436〜1437番
- 歌体
- 短歌(五七五七七)
- 時期
- 第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
- 状況
- 大伴村上の梅の歌二首。
修辞
- 枕詞
- 1437番の「霞立つ」が「春日」にかかる。
解説
雪と梅の取り合わせは、大陸の詩文の影響を受けた題材である。
関連
出典
- 底本
- 佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、305頁(コマ156)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 原文
- 佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、342頁(コマ177)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日