古典ライブラリー

万葉集 巻第八 1420番

沫雪か はだれに零ると

駿河采女(するがのうねめ)

沫雪がまだらに降るのかと見えるほどに、流れるように散っているのは、何の花だろうか。駿河采女の春の歌。

春の庭に白い花びらが雪のように舞い散っている

題詞駿河采女の歌一首

  1. 1沫あわ沫あわあわ雪ゆき雪ゆきゆきかかか沫雪香
  2. 2はだれはだれはだれににに零ふ零ふふるるるととと薄太禮爾零登
  3. 3見み見みみるるるまでまでまでににに見左右二
  4. 4流なが流ながながらへらへらへ散ち散ちちるるるははは流倍散波
  5. 5何なに何なになにののの花はな花はなはなぞぞぞももも何物之花其毛

引用の仕方

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現代語訳

沫雪がまだらに降っているのかと見えるほどに、流れるように散っているのは、何の花だろうか。

意訳

白い花びらが雪のように舞い散るさまを見て、いったい何の花だろうかと問いかけている。散る梅や桜を雪に見立てた歌である。

語釈・文法注

文法・本文

はだれ
まだらに。
流らへ
流れるように散り続けて。

和歌

作者
駿河采女(生没年未詳)
駿河国から宮中に仕えた采女。
出典
『万葉集』巻第八・雑歌・1420番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
駿河采女の春の歌。

修辞

見立て
散る花を沫雪に見立てる。

解説

花を雪に、雪を花に見立てる表現は、のちの和歌で好まれた。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、303頁(コマ155)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、339頁(コマ175)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日