古典ライブラリー

万葉集 巻第六 989番

燒刀の 稜うち放ち

湯原王(ゆはらのおおきみ)

焼き鍛えた太刀の刃先を打ち振って、ますらおたちが祝う豊かな御酒に、私は酔ってしまった。湯原王の酒宴の歌。

宴の席で、武人たちが太刀を打ち振って祝い、貴公子が酒杯を手に酔いしれている

題詞湯原王の打酒の歌一首

  1. 1燒やき燒やきやき刀たち刀たちたちののの燒刀之
  2. 2稜かど稜かどかどうちうちうち放はな放はなはなちちち加度打放
  3. 3丈ます丈ますます夫らを夫らをらおののの大夫之
  4. 4禱ほ禱ほほぐぐぐ豐とよ豐とよとよ御み御みみ酒き酒ききににに禱豐御酒爾
  5. 5吾われ吾われわれ醉ゑ醉ゑえひひいにににけりけりけり吾醉爾家里

引用の仕方

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現代語訳

焼き鍛えた太刀の刃先を打ち振って、ますらおたちが祝う豊かな御酒に、私は酔ってしまった。

意訳

宴の席で、ますらおたちが太刀を打ち振って祝いの舞をし、酒を勧める。湯原王はその勢いのある祝いの酒に酔ってしまったと歌う。

語釈・文法注

文法・本文

打酒
酒宴、または酒を勧めること。
稜うち放ち
刀の刃を打ち振って。

和歌

作者
湯原王(生没年未詳)
志貴皇子の子。父に似て、繊細で清らかな歌を残した。
出典
『万葉集』巻第六・雑歌・989番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
湯原王の打酒の歌。

解説

太刀を打ち振るのは、酒を祝う儀礼の所作とみられる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、239頁(コマ123)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、261頁(コマ136)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日