古典ライブラリー

万葉集 巻第四 629番

何すとか 使の來つる

大伴四綱(おおとものよつな)

どうして使いなどよこすのか。あなたこそ、あれこれ待ちかねているのに。宴の席で大伴四綱が詠んだ歌。

宴の席で、使いの者が文を差し出し、女性がそれを受け取らずに首を振っている

題詞大伴四綱、宴席の歌一首

  1. 1何なに何なになにすとすとすとかかか奈何鹿
  2. 2使つかひ使つかひつかいののの來き來ききつるつるつる使之來流
  3. 3君きみ君きみきみをををこそこそこそ君乎社
  4. 4左か左かかにににももも右かく右かくかくにににももも左右裳
  5. 5待ま待ままちちち難かて難かてかてにににすれすれすれ待難爲禮

引用の仕方

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現代語訳

どうして使いなどがやって来たのか。あなたこそを、あれこれと待ちかねていたのに。

意訳

恋人が自分で来ずに、使いだけをよこした。待っていたのは使いではなく、あなた自身なのにと、不満をこめて歌う。宴の席で、女の立場で詠んだ歌である。

語釈・文法注

文法・本文

待ち難にすれ
「こそ」の結びで已然形。待ちかねている。

和歌

作者
大伴四綱(生没年未詳)
奈良時代の官人。大宰府の防人司の佑を務めた。
出典
『万葉集』巻第四・相聞・629番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第3期(710〜733年(平城京遷都〜山上憶良の没年ごろ))
状況
大伴四綱が宴の席で詠んだ歌。

解説

四綱は巻第三の329・330番で、大宰府の宴の歌を詠んでいる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、166頁(コマ87)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、175頁(コマ93)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日