古典ライブラリー

万葉集 巻第三 463番

長き夜を

大伴書持(おおとものふみもち)

長い夜をひとりで寝るのかと兄上が言うので、亡くなった人のことが思われてならない。兄家持の歌に、弟の書持がすぐに答えた歌。

縁側で、若い兄弟が並んで座り、弟が兄の肩にそっと手を置いている

題詞弟大伴宿禰書持、卽ち和ふる歌一首

  1. 1長なが長ながながききき夜よ夜よよををを長夜乎
  2. 2獨ひとり獨ひとりひとりややや宿ね宿ねねむむむととと獨哉將宿跡
  3. 3君きみ君きみきみがががいへいへいえばばば君之云者
  4. 4過す過すすぎぎぎにににししし人ひと人ひとひとののの過去人之
  5. 5おもほゆおもほゆおもおゆらくらくらくににに所念久爾

引用の仕方

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現代語訳

長い夜をひとりで寝るのかとあなたが言うので、亡くなった人のことが思われてならないことだ。

意訳

兄の家持が、これから長い夜をひとりで寝るのかと嘆いたのを聞いて、弟の書持も亡くなった人のことを思い出して悲しくなると答える。兄の悲しみに寄り添う、弟のやさしさが表れている。

語釈・文法注

文法・本文

おもほゆらくに
「おもほゆ」のク語法+「に」。思われることよ。

和歌

作者
大伴書持(?–746)
大伴旅人の子で、家持の弟。若くして亡くなった。
出典
『万葉集』巻第三・挽歌・463番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
462番の大伴家持の歌に、弟の大伴書持がすぐに答えた歌。

解説

書持は天平18年(746)に若くして亡くなり、越中にいた家持はその死を悼む長歌(巻第十七)を詠んでいる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、125頁(コマ66)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、128頁(コマ70)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日