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万葉集 巻第三 411番

吾妹子が 屋前の橘

作者未詳

あなたの家の庭の橘は、私のすぐ近くに植えたのだから、実を結ばずにはおかないつもりだ。410番の坂上郎女の歌に、必ず娘と結ばれると答えた歌。

垣根越しに、実をつけ始めた橘の木を、若い男が力強く見上げている

題詞和ふる歌一首

  1. 1吾わぎ吾わぎわぎ妹も妹もも子こ子ここががが吾妹兒之
  2. 2屋前には屋前にはにはののの橘たちばな橘たちばなたちばな屋前之橘
  3. 3いといといと近ちか近ちかちかくくく甚近
  4. 4植う植ううゑゑえてててししし故ゆゑ故ゆゑゆえににに殖而師故二
  5. 5成な成なならららずずずははは止や止ややまままじじじ不成者不止

引用の仕方

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現代語訳

あなたの家の庭の橘は、とても近くに植えたのだから、実を結ばずにはおかないつもりだ。

意訳

坂上郎女が、娘を嫁がせて後悔しても仕方がないと歌ったのに対し、この歌は、ごく近い身内として育ってきた仲なのだから、必ず実を結ばせてみせると、結婚への決意を述べている。

語釈・文法注

文法・本文

成らずは止まじ
実を結ばないうちはやめまい。

和歌

作者
作者未詳
出典
『万葉集』巻第三・譬喩歌・411番
歌体
短歌(五七五七七)
時期
第4期(733〜759年(〜万葉集の最後の歌))
状況
410番の大伴坂上郎女の歌に答えた歌。作者は記されていないが、大伴駿河麻呂とみられる。

修辞

譬喩
橘が実を結ぶことに、恋の成就をたとえる。

解説

「いと近く植ゑてし」は、同じ大伴一族の近い親族であることを表しているとみられる。

関連

出典

底本
佐佐木信綱編『新訓万葉集』上巻 岩波文庫、昭和2年(1927)、116頁(コマ62)。国立国会図書館デジタルコレクション
原文
佐佐木信綱編『白文万葉集』上巻 岩波書店、昭和24年(1949)、118頁(コマ65)。万葉仮名の原文。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日