古典ライブラリー

古今和歌集 墨滅歌 墨滅歌(巻第十 物名) 1103番

こし時と

紀貫之(きのつらゆき)

あの人が来た時刻だと恋しく思っていると、夕暮れには、その面影ばかりがずっと見えることだ。

作者
貫之(紀貫之)
  1. 1くれのおもくれのおもくれのおも詞書
  2. 2こしこしこし時とき時ときときととと初句
  3. 3戀こひ戀こひこいつつつつつつををおればればれば二句
  4. 4夕ゆふ夕ゆふゆうぐれのぐれのぐれの三句
  5. 5おもかげにのみおもかげにのみおもかげにのみ四句
  6. 6見み見みみえええ渡わた渡わたわたるかなるかなるかな結句
  7. 7忍草しのぶぐさ忍草しのぶぐさしのぶぐさ利貞としさだ利貞としさだとしさだ下しも下しもしも左注

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕呉の母。

あの人が来た時刻だと恋しく思っていると、夕暮れには、その面影ばかりがずっと見えることだ。

〔左注〕(書き入れ)忍草の、利貞の歌の下にある。

意訳

恋人の通ってきた夕暮れになると、面影ばかりが浮かぶと歌う。題の「くれのおも」を隠して詠む物名の歌。

語釈・文法注

くれのおも
物名の題。薬草の名とされる。
こし時
来た時刻。
見え渡る
ずっと見え続ける。

和歌

作者
紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』墨滅歌・墨滅歌(巻第十 物名)・1103番
歌体
短歌
状況
詞書「くれのおも」(呉の母)。

修辞

物名
「ゆふぐれのおもかげ」に「くれのおも」を隠す。

解説

紀貫之の歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、205頁(コマ116)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日