古典ライブラリー

古今和歌集 墨滅歌 墨滅歌(巻第十 物名) 1102番

かけりても

藤原勝臣(ふじわらのかちおん)

魂が空を翔けて来ても、何を見ようというのか。亡骸は炎となってしまったのに。

詞書
「ひぐらし」(前の歌と同じ詞書)
作者
勝臣(藤原勝臣)
  1. 1かけりてもかけりてもかけりても初句
  2. 2何なに何なになにをををかたまのかたまのかたまの二句
  3. 3きてもみむきてもみむきてもみむ三句
  4. 4からはからはからわ焰ほのほ焰ほのほほのおととと四句
  5. 5なりにしなりにしなりにし物もの物ものものををを結句
  6. 6をがたまのをがたまのおがたまの木き木きき友則とものり友則とものりとものり下しも下しもしも左注

引用の仕方

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現代語訳

魂が空を翔けて来ても、何を見ようというのか。亡骸は炎となってしまったのに。

〔左注〕(書き入れ)をがたまの木の、友則の歌の下にある。

意訳

火葬で失われた亡き人を思い、魂が戻っても見るべき姿はないと嘆く。題の「をがたまの木」を隠して詠む物名の歌。

語釈・文法注

かけりても
空を飛んで来ても。
から
亡骸。
をがたまの木
物名の題。

和歌

作者
藤原勝臣(ふじわらのかちおん) 生没年未詳(九世紀後半)
藤原南家の人で、大宰少弐・阿波守などを務めたと伝える。
出典
『古今和歌集』墨滅歌・墨滅歌(巻第十 物名)・1102番
歌体
短歌
状況
詞書「ひぐらし」(蜩)。

修辞

物名
「なにをかたまのきても」に「をがたまの木」を隠す。

解説

藤原勝臣の歌。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、204〜205頁(コマ115)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日