古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十八 雑歌下 980番

思ひやる

紀貫之(きのつらゆき)

思いやる越の白山を知らないけれど、一晩も夢の中で越えない夜はない。

作者
紀貫之
  1. 1越こ越ここなりけるなりけるなりける人ひと人ひとひとににに遣つかは遣つかはつかわしけるしけるしける詞書
  2. 2思おも思おもおもひやるひやるいやる初句
  3. 3こしのこしのこしの白山しらやま白山しらやましらやま二句
  4. 4しらねどもしらねどもしらねども三句
  5. 5ひとよもひとよもひとよも夢ゆめ夢ゆめゆめににに四句
  6. 6こえぬこえぬこえぬ夜よ夜よよぞなきぞなきぞなき結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

〔詞書〕越にいる人に贈った歌。

思いやる越の白山を知らないけれど、一晩も夢の中で越えない夜はない。

意訳

見たこともない白山を、夢の中で毎晩越えてあなたに会いに行く、と詠む。

語釈・文法注

しらね
「白根」と「知らね」。

和歌

作者
紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第十八・雑歌下・980番
歌体
短歌
状況
詞書「越なりける人に遣しける」(越にいる人に贈った歌)。

修辞

掛詞
「しら」。

解説

紀貫之の歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、178頁(コマ102)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日