古今和歌集 巻第十八 雑歌下 967番
光なき
光の届かない谷には春もよそごとなので、花が咲いてすぐ散るような物思いもない。
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現代語訳
〔詞書〕時めいていた人が急に不遇になって嘆くのを見て、自分には嘆きも喜びもないことを思って詠んだ歌。
光の届かない谷には春もよそごとなので、花が咲いてすぐ散るような物思いもない。
意訳
栄えたことのない自分には、落ちぶれる嘆きもない、と達観した心境を詠む。
語釈・文法注
- 光なき谷
- 日の当たらない所。不遇の身。
和歌
- 作者
- 清原深養父(きよはらのふかやぶ) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀前半)
内匠允・内蔵大允などを務めた。琴の名手でもあった。清少納言の曽祖父、清原元輔の祖父にあたる。晩年は洛北に補陀落寺を建てて住んだと伝える。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十八・雑歌下・967番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「時なりける人の俄に時なくなりて歎くを見てみづからのなげきもなくよろこびもなきことを思ひてよめる」(時めいていた人が急に不遇になって嘆くのを見て、自分には嘆きも喜びもないことを思って詠んだ歌)。
修辞
- 寓意
- 谷に不遇の身を重ねる。
解説
清原深養父の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、174頁(コマ100)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日