古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十七 雑歌上 923番

ぬき亂る

在原業平(ありわらのなりひら)

玉を貫いた緒を抜いて乱す人がいるらしい。白玉が絶え間なく散ることよ、受けとめる袖は狭いのに。

作者
業平朝臣(在原業平)
  1. 1布引ぬのびき布引ぬのびきぬのびきののの瀧たき瀧たきたきのもとにてのもとにてのもとにて人々ひとびと人々ひとびとひとびとあつまりてあつまりてあつまりて歌うた歌うたうたよみけるよみけるよみける時とき時ときときによめるによめるによめる詞書
  2. 2ぬきぬきぬき亂みだ亂みだみだるるる初句
  3. 3人ひと人ひとひとこそあるらしこそあるらしこそあるらし二句
  4. 4白玉しらたま白玉しらたましらたまののの三句
  5. 5まなくもまなくもまなくも散ち散ちちるかるかるか四句
  6. 6袖そで袖そでそでのせばきにのせばきにのせばきに結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕布引の滝のもとで、人々が集まって歌を詠んだ時に詠んだ歌。

玉を貫いた緒を抜いて乱す人がいるらしい。白玉が絶え間なく散ることよ、受けとめる袖は狭いのに。

意訳

滝のしぶきを、誰かが玉の緒を引き抜いて散らしたものと見る。

語釈・文法注

ぬき乱る
抜いて乱す。

和歌

作者
在原業平(ありわらのなりひら) 825–880
平城天皇の皇子阿保親王の子。右近衛権中将などを務め、「在五中将」と呼ばれた。仮名序は「その心餘りて詞たらず」と評する。『伊勢物語』の主人公「昔男」のモデルとされる。六歌仙・三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第十七・雑歌上・923番
歌体
短歌
状況
詞書「布引の瀧のもとにて人々あつまりて歌よみける時によめる」(布引の滝のもとで、人々が集まって歌を詠んだ時に詠んだ歌)。

修辞

見立て
しぶきを白玉に見立てる。

解説

在原業平の歌。『伊勢物語』第八十七段にも見える。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、166頁(コマ96)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日