古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十六 哀傷歌 833番

寢ても見ゆ

紀友則(きのとものり)

寝ても夢に見え、寝なくても見えるのだった。だいたい、この世そのものが夢であったのだ。

作者
紀友則
  1. 1藤原ふぢはら藤原ふぢはらふじわら敏行としゆき敏行としゆきとしゆき朝臣あそん朝臣あそんあそんののの身み身みみまかりにけるまかりにけるまかりにける時とき時ときときによみてかのによみてかのによみてかの家いへ家いへいえににに遣つかは遣つかはつかわしけるしけるしける詞書
  2. 2寢ね寢ねねてもてもても見み見みみゆゆゆ初句
  3. 3ねでもねでもねでも見み見みみえけりえけりえけり二句
  4. 4大方おほかた大方おほかたおおかたははは三句
  5. 5空蟬うつせみ空蟬うつせみうつせみののの世よ世よよぞぞぞ四句
  6. 6夢ゆめ夢ゆめゆめにににははは有あ有あありけるりけるりける結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕藤原敏行朝臣が亡くなった時に詠んで、その家に贈った歌。

寝ても夢に見え、寝なくても見えるのだった。だいたい、この世そのものが夢であったのだ。

意訳

亡き人は寝ても覚めても目に浮かぶ。この世こそが夢なのだ、と無常を思う。

語釈・文法注

うつせみの
「世」にかかる枕詞。

和歌

作者
紀友則(きのとものり) ?–905?
『古今和歌集』の撰者の一人で、紀貫之の従兄。大内記などを務めたが、集の完成を待たずに亡くなり、巻第十六に貫之・壬生忠岑の哀悼の歌がある。のびやかで格調のある歌風で知られる。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第十六・哀傷歌・833番
歌体
短歌
状況
詞書「藤原敏行朝臣の身まかりにける時によみてかの家に遣しける」(藤原敏行朝臣が亡くなった時に詠んで、その家に贈った歌)。

解説

紀友則の歌。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、147頁(コマ87)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日