古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十六 哀傷歌 829番

泣くなみだ

小野篁(おののたかむら)

私の泣く涙よ、雨となって降ってほしい。三途の川の水かさが増したら、妹が渡れずに帰ってくるように。

作者
小野篁朝臣(小野篁)
  1. 1妹いも妹いもいもののの身み身みみまかりけるまかりけるまかりける時とき時ときときよみけるよみけるよみける詞書
  2. 2泣な泣ななくなみだくなみだくなみだ初句
  3. 3雨あめ雨あめあめとととふらなむふらなむふらなむ二句
  4. 4渡わた渡わたわたりりり川がは川がはがわ三句
  5. 5水みづ水みづみずまさりなばまさりなばまさりなば四句
  6. 6かへりくるがにかへりくるがにかえりくるがに結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕妹が亡くなった時に詠んだ歌。

私の泣く涙よ、雨となって降ってほしい。三途の川の水かさが増したら、妹が渡れずに帰ってくるように。

意訳

亡くなった妹が三途の川を渡れなくなるほど涙を流し、この世に引き戻したい、と悲しみを詠む。

語釈・文法注

渡り川
三途の川。死者が渡るとされる川。
かへりくるがに
帰ってくるように。

和歌

作者
小野篁(おののたかむら) 802–852
漢詩文に優れた学者・官人。遣唐副使に任じられたが乗船を拒み、嵯峨上皇の怒りにふれて隠岐に流された。のち許されて参議に至った。「野宰相」とも呼ばれ、冥府の役人を務めたという伝説もある。
出典
『古今和歌集』巻第十六・哀傷歌・829番
歌体
短歌
状況
詞書「妹の身まかりける時よみける」(妹が亡くなった時に詠んだ歌)。

解説

哀傷歌の巻頭歌。小野篁の作。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、146頁(コマ86)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日