古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十四 恋歌四 698番

戀しとは

清原深養父(きよはらのふかやぶ)

「恋し」とは、誰が名づけたことなのだろう。いっそ「死ぬ」とだけ言えばよかったのに。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
深養父(清原深養父)
  1. 1戀こひ戀こひこいしとしとしとははは初句
  2. 2たがたがたが名な名ななづけけむづけけむずけけむ二句
  3. 3ことならむことならむことならむ三句
  4. 4死し死ししぬとぞぬとぞぬとぞ唯ただ唯ただただににに四句
  5. 5いふべかりけるいふべかりけるいうべかりける結句

引用の仕方

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現代語訳

「恋し」とは、誰が名づけたことなのだろう。いっそ「死ぬ」とだけ言えばよかったのに。

意訳

恋の苦しさは死ぬほどだから、「恋し」などという生ぬるい名前でなく、「死ぬ」と言うべきだ。

語釈・文法注

唯に
ただ単に。

和歌

作者
清原深養父(きよはらのふかやぶ) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀前半)
内匠允・内蔵大允などを務めた。琴の名手でもあった。清少納言の曽祖父、清原元輔の祖父にあたる。晩年は洛北に補陀落寺を建てて住んだと伝える。
出典
『古今和歌集』巻第十四・恋歌四・698番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

清原深養父の歌。墨滅歌の注記(1111番)は、この歌の後にあったとする。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、124頁(コマ75)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日