古今和歌集 巻第十二 恋歌二 607番
言にいでて
言葉に出して言わないだけだ。水無瀬川が地下を流れるように、心の底では恋しく思っているのに。

現代語訳
言葉に出して言わないだけだ。水無瀬川が地下を流れるように、心の底では恋しく思っているのに。
意訳
表面に水のない水無瀬川が地下を流れるように、口には出さないが心の中では恋している。
語釈・文法注
- 水無瀬川
- 水のない川、地下を流れる川。また摂津国の地名。
- 下に通ひて
- 心の中で通って。
和歌
- 作者
- 紀友則(きのとものり) ?–905?
『古今和歌集』の撰者の一人で、紀貫之の従兄。大内記などを務めたが、集の完成を待たずに亡くなり、巻第十六に貫之・壬生忠岑の哀悼の歌がある。のびやかで格調のある歌風で知られる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十二・恋歌二・607番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 序詞的表現
- 「水無瀬川」が「下に通ひ」を導く。
解説
紀友則の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、108頁(コマ67)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日