古今和歌集 巻第十一 恋歌一 481番
初雁の
初雁の声のように、ほんのわずかにあの人の声を聞いてから、空の中ほどをさまようように、上の空で物思いばかりしている。

現代語訳
初雁の声のように、ほんのわずかにあの人の声を聞いてから、空の中ほどをさまようように、上の空で物思いばかりしている。
意訳
かすかに聞いた声が忘れられず、心が宙に浮いたように落ち着かない、と雁に重ねて詠む。
語釈・文法注
- はつかに
- わずかに。「初雁」と同音。
- なかぞら
- 空の中ほど、うわの空。
和歌
- 作者
- 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。甲斐少目・和泉大掾など地方の下級官人を務めたが、歌才は宇多・醍醐両天皇に重んじられ、屏風歌や歌合で活躍した。貫之と並ぶ歌人とされる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十一・恋歌一・481番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 序詞
- 「初雁の」が「はつかに」を導く。
解説
凡河内躬恒の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、93頁(コマ60)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日