古今和歌集 巻第十 物名 453番
煙たち
煙が立って燃えているとも見えない草の葉を、誰が「藁火(わらび)」と名づけはじめたのだろう。

現代語訳
〔詞書〕わらび。
煙が立って燃えているとも見えない草の葉を、誰が「藁火(わらび)」と名づけはじめたのだろう。
意訳
「わらび(蕨)」を「藁火」と解して、燃えてもいないのに、と戯れる。
語釈・文法注
- 名づけそめけむ
- 名づけはじめたのだろうか。
和歌
- 作者
- 素性法師(そせいほうし) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀初め)
僧正遍昭の子。俗名は良岑玄利(よしみねのはるとし)といい、父の命で出家した。雲林院や大和の石上の良因院に住み、宇多天皇・醍醐天皇の歌会や屏風歌に召された。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十・物名・453番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「わらび」(わらび)。
修辞
- 掛詞
- 「わらび」に「蕨」と「藁火」。
解説
素性法師の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、87頁(コマ57)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日