古今和歌集 巻第十 物名 435番
散りぬれば
散ってしまえば、後はごみになる花であることを思い知らずに、迷い飛ぶ蝶であることよ。

現代語訳
〔詞書〕くたに。
散ってしまえば、後はごみになる花であることを思い知らずに、迷い飛ぶ蝶であることよ。
意訳
「あくたに」に「くたに(竜胆、または牡丹)」を詠みこむ。花に群がる蝶を、無常を知らぬものとして見る。
語釈・文法注
- あくた
- ごみ。
- くたに
- 竜胆、または牡丹の古名とされる。
和歌
- 作者
- 僧正遍昭(そうじょうへんじょう) 816–890
桓武天皇の孫で、俗名は良岑宗貞(よしみねのむねさだ)。仁明天皇に仕えて蔵人頭となったが、天皇の崩御を機に出家し、のちに僧正となって元慶寺・花山寺を開いた。素性法師の父。六歌仙・三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十・物名・435番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「くたに」(くたに)。
修辞
- 物名
- 「あくたに」に「くたに」。
解説
僧正遍昭の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、84頁(コマ55)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日