古今和歌集 巻第十 物名 424番
波のうつ
波の打ち寄せる瀬を見ると、玉が乱れ散っていた。拾ったら、袖の中ではかなく消えてしまうだろうか。

現代語訳
〔詞書〕うつせみ。
波の打ち寄せる瀬を見ると、玉が乱れ散っていた。拾ったら、袖の中ではかなく消えてしまうだろうか。
意訳
「波のうつ瀬見れば」に「うつせみ」を詠みこむ。波しぶきを玉に見立て、拾えば消えるはかなさを詠む。
語釈・文法注
- うつ瀬
- 波の打ち寄せる瀬。
- 玉
- 波のしぶき。
和歌
- 作者
- 在原滋春(ありわらのしげはる) 生没年未詳(九世紀後半)
在原業平の子。内舎人などを務めた。旅の途中で病にかかり、辞世の歌を母のもとに届けさせた話が巻第十六に見える。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十・物名・424番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「うつせみ」(うつせみ)。
修辞
- 物名
- 「うつ瀬見」に「うつせみ」。
- 見立て
- しぶきを玉に見立てる。
解説
在原滋春の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、82頁(コマ54)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日