古今和歌集 巻第八 離別歌 377番
えぞ知らぬ
どうなるかはわかりません。さあ試してごらんなさい。命があったら、私が忘れるか、あなたが訪ねてこないかを。

現代語訳
〔詞書〕紀宗定が東国へ下った時、人の家に泊まって、明け方に出発しようと挨拶したところ、女が詠んで差し出した歌。
どうなるかはわかりません。さあ試してごらんなさい。命があったら、私が忘れるか、あなたが訪ねてこないかを。
意訳
旅立つ男に、私があなたを忘れるか、あなたが訪ねなくなるか、命があれば試してみよう、と気丈に別れを告げる。
語釈・文法注
- えぞ知らぬ
- とても知ることができない。
- 心みよ
- 試してみよ。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第八・離別歌・377番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「紀のむねさだがあづまへまかりける時に人の家に宿りて曉いでたつとてまかり申しければ女のよみていだせりける」(紀宗定が東国へ下った時、人の家に泊まって、明け方に出発しようと挨拶したところ、女が詠んで差し出した歌)。
修辞
- 対句
- 「われやわするる」「人やとはぬ」。
解説
読人しらずの歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、69〜70頁(コマ48)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日