古今和歌集 巻第八 離別歌 365番
立ち別れ
お別れして因幡の国へ行っても、因幡山の峰に生える松のように、あなたが待っていると聞いたら、すぐに帰ってこよう。

現代語訳
お別れして因幡の国へ行っても、因幡山の峰に生える松のように、あなたが待っていると聞いたら、すぐに帰ってこよう。
意訳
因幡守として赴任する際の別れの歌。「往なば」と「因幡」、「松」と「待つ」をかけ、帰りを待つ人への思いを伝える。
語釈・文法注
- 立ち別れ
- 別れて出発して。
- いなば
- 「往なば(行ったならば)」と「因幡」。
- まつとし
- 「待つとし」と「松とし」。
和歌
- 作者
- 在原行平(ありわらのゆきひら) 818–893
阿保親王の子で、在原業平の異母兄。中納言に至った。一族の子弟のための学舎「奨学院」を設けた。須磨に退居した話は『源氏物語』須磨の巻にも影響を与えた。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第八・離別歌・365番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 掛詞
- 「いなば」に「往なば」と「因幡」、「まつ」に「松」と「待つ」。
解説
在原行平の歌で、離別歌の巻頭歌。百人一首第十六首にも採られた。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、67頁(コマ47)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日