古今和歌集 巻第七 賀歌 351番
いたづらに
むなしく過ぎる月日は何とも思われないで、花を見て暮らす春の日だけが、少なく感じられる。

現代語訳
〔詞書〕貞保親王が、后の宮(藤原高子)の五十の賀を献上した屏風に、桜の花が散る下で人が花を見ている様子を描いたのを詠んだ歌。
むなしく過ぎる月日は何とも思われないで、花を見て暮らす春の日だけが、少なく感じられる。
意訳
屏風絵の人物の心になって、花を見る楽しい日々はあっという間に過ぎてしまう、と詠む。
語釈・文法注
- いたづらに
- むなしく。
- おもほえで
- 思われないで。
和歌
- 作者
- 藤原興風(ふじわらのおきかぜ) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀前半)
藤原浜成の曽孫で、相模掾・治部少丞などを務めた。管絃にも長じた。寛平期の歌合で活躍した。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第七・賀歌・351番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「さだやすのみこの后の宮の五十の賀奉りける御屏風に櫻の花のちる下に人の花見たるかた書けるをよめる」(貞保親王が、后の宮(藤原高子)の五十の賀を献上した屏風に、桜の花が散る下で人が花を見ている様子を描いたのを詠んだ歌)。
解説
藤原興風の屏風歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、63〜64頁(コマ45)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日